パッシーユ

きしめん風麺の醤油炒め / ผัดซีอิ๊ว


『パット』は“炒める”、『シーユ』は“しょうゆ”、なので、『パットシーユ』を直訳すれば、その意味するところはただの“しょうゆ炒め”のはずですが、タイで『パットシーユ』と言えば、‘センヤイ’と呼ばれる、きしめん風のぶっとい麺をしょうゆで炒めたものを指します。

タイでしょうゆといえば、魚を発酵させて作るナムプラーを筆頭にいくつか種類がありますが、パッシーユに使われるのは、そのうちの黒醤油。この黒醤油は、日本のしょうゆと同じく大豆を原料にしているものですが、砂糖や香辛料を加えているため、とろみと甘みがあるのが特徴です。
大きな中華鍋に油を熱し、肉(鶏もしくは豚)と、こりこりとした歯ごたえのあるカイラン菜を炒めたところに麺を入れ、さっと火が通ったところで、最後に卵を溶き入れ、完成です。
香ばしくあまからい味がもちもちっとした麺にからまって、たまらない美味しさ。さらに特筆すべきは、そのあまから味がしみ込んだ、卵。そう、例えて言うならば、2日目のすき焼きで作った焼きうどん。それは、まさに日本人の味覚のストライクど真ん中。自分で唐辛子を入れない限り、辛くもありません。
タイ人は、出来上がったあと更に唐辛子と、同量の砂糖を入れて味を濃くして食べますが、そこまですると、日本人にとってはちょっとくどくなってしまいます。
とにかく日本人なら、パットシーユを嫌いという人はまずいないのではないでしょうか。タイ料理ビギナーにも、自信を持ってお勧めできる一皿です。

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2005-08-17

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