アユタヤ−ぞうさんと象使いの素顔に迫る旅

象が好きで好きで、象が居るからタイに住んでしまった日本人女性をリポート!知らなかったタイの象の今・・・

WANTED!!遠藤明子さん
こんにちはのぞみです。ガルーダがタイの紋章なら、象はタイのマスコットキャラクター!? お土産屋さんでは灰皿に、サロンに、お香に、パンツにまで…至る所に登場し、観光地では人を乗せたり芸をしたりと、タイの象さんはいつも大忙し。 そんな象さんと一緒に居るために日本を離れ、タイに移住した若い日本人女性がいる、という情報を入手。写真の彼女の話を聞くために、アユタヤーへ行ってきました。
快晴の土曜日。オフィスの女性陣は遠足気分♪
アユタヤーまではミニバスで2時間弱。ちょっと遠出の遠足気分、どうせ行くならみんなで楽しく行きましょう! ってことでオフィスの女性3名、女性カメラマン、私の5名で行くことに。
スカンヤーさん(左)と、ピー・マユラー

スカンヤーさん(左)と、ピー・マユラー

カメラマン、ラックさん

カメラマン、ラックさん

朝8時30分、ヴィクトリーモニュメントで待ち合わせ。アユタヤー行きのミニバスがここから出発します。 BTS、victory monument 駅で下車、ながーいアーケードを約半周歩いて、デパートFashion mall付近まで行き、公衆電話のあるこの一角! ここでミニバスに乗ります。
バスの中はこんな感じ。料金は一人60Bで、必ず座れます。あれ、誰か寝てますよ~。まさか私…。
アユタヤーのバスターミナルに到着。そこから出ているソンテウに乗り換えて、Ayutthaya Elephant Camp(アユタヤー エレファントキャンプ)まで向かいます。
アユタヤー エレファントパレスに到着
10分ほど走ったところで象が出現! どうやら着いたようです! 大昔はVIPだけに許された最高の贅沢であった、象に乗っての遺跡観光ですが、今日は観光客に大人気の有名なコース。料金は10分200B、20分400B、30分500B。日本人の観光客は特に多いそうです。
秋篠宮皇太子さまも、ここへ来られたことがあるんですね! 象さんから歓迎の花束を受け取り、象のりを体験、象へバナナをあげる、という体験をされた写真が飾られていました。


こちらはお土産やさんで!
この紙製品は、なんと象のウンチから出来ているそうです! 聞いたら驚いたけど「実物」を見て納得…。ウンチというより草のかたまりですもんね。水に浸けて、草の成分と汚いものを完全に分離させてから漉いて紙を作っていくようです。その写真がこちら。

では、早速私達も象乗りを…、の前に!?
日本人の女の子が居るよ、と言うカメラマン。あれ、もう会えるの? と聞くと、「いや、その子じゃなくて別の子が居るみたい」。 二人も働いてるなんて聞いてなかったなぁ~と思いつつカメラマンの後に続くと、そこには女の子が一人。あれ、彼女、タイ人じゃないんですか? 半信半疑の私に「日本の方ですか?」と話しかけてくれた彼女。彼女も私がタイ人か日本人かわからなかったとか(笑)。私達、どちらの方がタイ人に見えます?
行動力に拍手、象使い修業中の恵里さん!
突然でしたが、インタビューに快く答えてくれた鶴田恵里さん。彼女は福岡出身の21歳で、タイに住み始めてから4ヶ月目。動物に関する専門学校を卒業したという恵里さんは象に興味があり、始めは日本で象に関われる施設での就職先を探していたのだとか。「でも日本では自分の思うような動物と関わる施設が見つからなくて。で、福岡の“タイ国政府観光庁”へ行ったときに、ここで日本人の女性が働いているということを聞いたんです。それで訪ねてタイに来て明子さんに会って、ここで働きたいと思ったんです。」
確かでない情報を頼りに、見知らぬ人を訪ねて行くなんて! 恵里さん自身も「始めは怖かった」と言っていましたが、想像するだけでも緊張してしまいそう。すごい勇気と行動力! ちなみにタイ語は喋れたんですか?「いえ、今でも全然。英語も喋れないんですよ。タイ語はすこしづつ覚えています。」
絵里さんが今住んでいるのはタンヤットという村。そこは仕事が終わった象さんが帰るおうちであり、ここで働いている象使いのみなさんから社長さんまで、一大家族が住んでいる村です。生活の全部を変えてタイで修行をする恵里さん。これからも頑張って、かっこいい象使いになってくださいね。
待ってました! 象に乗ってお散歩です!
私は特別、絵里さんが一緒に乗ってくれることになりました♪オフィスのみなさん、お待たせしました! 乗りますよ~っ!
恵里さん、象さん ありがとう!

恵里さん、象さん ありがとう!

ゆっくりゆっくりと歩道を歩き、川の側まで歩きました。日傘が直射日光を防いでくれています。象はゆっくり歩いているのに、一歩踏み出すたびにガクガクと大きく揺れる私。「背もたれによりかからないで座って、腰の力を抜いて上半身は動かさないように乗るのが象乗りのコツ!」 という恵里さんからのアドバイスに従うと、なるほど、断然快適です。馬に乗るのと似た感じですね。
象使いのDaoruangさんは、日本でサーカスの仕事をしていたことがあり、日本語が上手! 日本語で色んなジョークを言って楽しませてくれます。 川を隔てて見える遺跡がいい感じです。プラ・シー・サンペット寺院(Watb Phra Sri Sanphet)がここのすぐ近くに。 
お疲れ様! ご飯ですよ~♪
バナナに向かって手を…ではなく、鼻を伸ばし、鼻をくるん!と丸めてバナナを受け取り、鼻の下にある口に運びます。バナナ1本だって、くるん!と器用に持っていきます。バナナの皮も、紙袋だって丸呑み!大丈夫なのかなぁ…?
私達もご飯♪露店で買ったものを持ち込んだり、あちらこちらの屋台から注文したりでテーブルの上はあっという間にお祭り騒ぎ!
スタッフと象さんのおうち、タンヤットの村へ
この施設のオーナーさんの車に乗せてもらい、タンヤットの村へ。見慣れてしまった風景ですが、この乗り方、よく考えたら新鮮かも~! 足元には象さんの食べる草やら糞やら… それも一興? 15分ほど揺られたところで先ほどまで嗅いでいた匂いが再び。くんくん、近いようです。
やっぱり着きました!象さんが、いち、にぃ、さん、し…いっぱい!子供の象さんもいますよ。なんだか本当に象さんのおうちって感じですね~♪子供の象さんはけむくじゃらなんです!

● 強い瞳と柔和な口元の女性

ここでついに、明子さんに会えました。明子さんは話す前から魅力に溢れていて、私はすこし緊張気味・・・。童顔とも言える顔立ちなのに、意志の強さが表れている、引き込まれる魅力を持った女性です。どんな生活をここで送ってきたのか、どんな意志を持ってここに住んでいるのか、思いつく限りの質問をし、答えてもらいました。私は大変感銘を受けたので、彼女の言葉のまま聞いてください。

◎ はじめに、ここで働くことになったきっかけから。
『タイには、観光で来たんですけど、象を見にここに来たら、象のとりこになってしまって。かわいいっていうか、…何て言うんですかね? とにかく見ていたくて、3日間毎日行って、ずぅっと象を見ていたんです。そしたらここのオーナーさんの奥さんが、「あなた、どうして毎日来ているの?」って、声をかけてくれたんです。で、そんなに好きなら働いてみないか、って。その頃は外国人の象使いさんもたくさんいました。で、決めちゃったんですね。あ、子供が泣くと嫌だから、家の前まで移動していいですか?』

◎ え?お子さんがいらっしゃるんですか?
『はい、そうなんです。今、1歳7ヶ月。 旦那?タイ人ですよ。はい、ここで知り合いました。もうタイに永住…しますねぇ。たまには日本に帰りますが。親は今、すごく理解してくれて。「そこまで頑張ってやっているなら、帰って来ることで今まで自分がやったことを無駄にしないで」って言ってくれてます。』

◎ 今はどういったお仕事をされているんですか?
『今は、子供がいますからね。象使いはずっとしていないです。ここにいる象のお世話とか、象の出産のお世話をしてるんですけど、出産はもう20頭くらいの出産をお世話しているんですよ。こんなに小象の多いところ、他にないんですよ!』

◎ 明子さんの信念というか、伝えていきたいことを教えて下さい。
『象の保護、っていうことに対する理解を、もっと皆に広めて行きたいです。「象は飼われて、芸をさせられて、かわいそう。私はかわいそうだから乗らないわ」っていう人もいるんです。だけど、野生の象が今、タイで生きていけないって知ってますか?私たちだって、象が野生のまま生きていけるのならそうさせてあげたいです。でも、今のタイにはそんなにたくさんの自然はない。森が減って人間の畑になっているんです。野生の象が食べ物を求めるとき、自然と人間の畑に入ってしまいます。すると人間たちは怒って、象と人間の殺し合いになる。今は保護をするしかないんです。そのためには象さんにも働いてもらって、そのお金で私たちが保護する。これが今考えられる方法なんです。』
この言葉を聞いて、私は今までの考えを改めました。私も鎖に繋がれている象を見て、漠然と「かわいそう」と思ったことがあるのです。

◎ これからの活動についての計画を教えて下さい。
このことを伝える為の活動に力を入れて行きたいと思います。まずはこうしてお客さんに話すことから。日本のメディアやタイのメディアにも働きかけていきたいし、将来的には日本でも講演会をしたりして、伝えて行きたいです。私はこれだけ象さんと関わっているんだから、そうする責任があると思う。』

● ありがとうございました。私も明子さんの、お役に立てますように!

午後4時、帰路へ着きました。本当は今の時期は象の祭りをしていて、今日が最終日だったのですが、時間の都合のために見送ってしまいました。そのお祭りは年に一度の、象さんの晴れ舞台で昔戦争に使われていたような、たくましい象の姿も見られるとか。次回は絶対行くぞ~。

学ぶとの多い一日でした。象に関しても色んな発見があったけど、こんなに強くてステキな日本人女性とタイで知り合えた事が何より感動しました。 ステキな女性に会うと、自分も頑張らなきゃ!という気になりますね。 私も頑張ろう~!

■ 基本情報
住所 : Paton Road, Phra Nakorn Sri Ayutthaya Province, THAILAND 13000
住所(タイ語) : ถนนป่าโทน อำเภอพระนครศรีอยุธยา จังหวัดพระนครศรีอยุธยา 13000
電話番号 : 035-211-001, 035-321-982
ファックス : 035-211-001
営業時間 : 9:00~17:00
休業日 : 無し
駐車場 : 有り
日本語 : 可
ホームページ : http://www.changdee.com

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2006-02-28

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