ミュージアム・オブ・サイアム

Museum of Siam มิวเซียมสยาม

閉店・移転、情報の修正などの報告

タイのルーツを、様々な角度から見て・聞いて・触って・知る!新しい形の博物館がオープンしました。

サワッディーカー!バンコクナビです。
「タイとは何ぞや?」…という漠然とした質問を投げかけ、そしてこの疑問をあらゆる角度から答えるという博物館が、ワットポー近くにオープンしました。
「タイ」と言えば?というと、一般的には寺院や仏像、辛い味のタイ料理、ムエタイ…まあこんな所でしょうか。歴史についてとなると、世界史の授業で“山田長政”という人物の名前を聞いた覚えがあるような…?そこでナビは今回、知っているようで殆ど知らなかったタイという国についてお勉強するべく、「Museum of Siam」へとやって来ました。
場所
「ミュージアム・オブ・サイアム」は、エメラルド寺院やワットポーの南側、マハーラート通りとサナームチャイ通りに挟まれた、ソイ・セータガーンに面した場所にあります。向かい側にはラチャボピット学校、そして南側にはプララーチャワン警察署があります。
入場
「Museum Siam」と書かれた門をくぐると、クリーム色のコロニアル様式の瀟洒な建物が目の前に広がります。中央の石畳の上を進んで建物に入ると重厚な造りのエントランスとなり、その正面奥に受付があります。
この受付にて入場ステッカーとパンフレットをもらいます。入場料は大人300バーツ、15才以下の子どもは無料です!
(※取材時 予告無く変更される場合があります。 )
問いに対して自分で答えを導き出す手法
クラシカルな建物の中は、近未来さえ感じる現代アートを取り入れた内装です。特に若い世代にタイを知ってもらおうという趣旨のようで、ポップなデザインや最新技術を使って取っつき易い展示となっています。
そして「タイとは何であるか」「アユタヤはどこから来たのか」「何故アユタヤは戦争をしなくてはいけなかったのか」「誰がバンコクを作ったのか」等の問題提起と共に展示・説明がされています。
そう、ただ展示物を見るだけの博物館ではなく、その問いに対して自分で考えながら答えを導き出すという、タイでは今までに無かった手法の博物館なんです。
 
早速館内を見学
順序に従い、まずは正面受付の後ろにある部屋へと行きました。
そこにあるのはこの建物についての説明で、当時の建築技法や商業省として使用されていた歴史が紹介されています。部屋の中央には初代商業省大臣の肖像画が飾られています。
いかにしてこの建物が出来上がったか、ということ細かな工法が説明されており、床下や壁の中を覗くことが出来るようになっています。そして建てる際にこの場所から出土したという土器等も展示されています。
まじまじと観察していた所、係りの方が「触れますよ、どうぞ~!」と、ナビにポンと出土品を手渡してきました。
えっ!普通こういった物は「厳重注意!手を触れないで下さい」、というのが当たり前。おもむろに持たされた出土品にナビの手は震え、「落としたらどうしよう、バラバラと砕けたらどうしよう…既にヒビが入っているし!?」と内心ドキドキしながら持っていました。
受付左側の部屋へと進みました。ここでは、変形したスクリーンに、この博物館がどういったものを展示しているか、という導入部分のイメージ映像が映し出されます。
さらに左へと進むと、一瞬「お化け屋敷?」と錯覚するような部屋。暗い中に浮かび上がるライトや絵と共に笑い声や話し声。しかしよく見ると人々の笑顔ばかり。
ここはリアルなタイが描かれた部屋となっています。タイと言えば、と聞かれてイメージするいかにもタイと言ったものばかり。
“スワンナプーム”とは?
1階部分を見終えると、次は3階となります。3階最初の部屋は、バンコクの国際空港の名前にもなっている“スワンナプーム”の説明です。スワンナプームとは「黄金の地」という意味で、タイはその昔諸外国からこう呼ばれていました。なぜ黄金の地と呼ばれたのか、本当に金で出来た土地であったのか・・・その語源となった意味の説明がなされています。
人類の祖先、原人から石器時代へと変化する過程、道具を使い社会を形成していく様子等が実際に出土した用具と共に説明しています。考古学調査員の如く地面の映像パネルの上をハケで掃ってみると土の下から何やらぼんやりと浮かび上がってきます。さらにハケで土を掃ってみると土器が出土しました。昔はお墓の中には人だけでなく、使っていた身の回り品も一緒に埋葬していたそうです。ただ出土品を見るだけでなく、探し当ててのゲーム感覚で見せる展示に、興味が一段と湧きます。
スワンナプームの人々、のコーナーではこの黄金の地に住んでいたモン族やカレン族の挨拶の言葉を聞くことが出来ます。

スワンナプームの人々、のコーナーではこの黄金の地に住んでいたモン族やカレン族の挨拶の言葉を聞くことが出来ます。

青銅器を作る過程を面白おかしいストーリー仕立の映像が流れています。

青銅器を作る過程を面白おかしいストーリー仕立の映像が流れています。

村を形成する人々、のコーナーでは職業や人種によって髪型や服装の違いを大きなパネルを使い説明がなされています。 
村を形成する人々、のコーナーでは職業や人種によって髪型や服装の違いを大きなパネルを使い説明がなされています。

村を形成する人々、のコーナーでは職業や人種によって髪型や服装の違いを大きなパネルを使い説明がなされています。

村の壁画をライトで照らすとアニミズム、ヒンディズム、ブッディズムというそれぞれの宗教観を表した絵がその色ごとに浮かび上がります。言葉で説明するのには難しい内容も絵によって理解し易いようになっています。
諸外国との交易の模様の説明には子供でも分かり易いようにタッチパネル上で商取引ゲームの遊び感覚で学べるようになっています。いかにして得な取引をするか・・・昔から腹の探り合いの取引があったのでしょうね。各地の産物を取引することにより、より一層の発展を遂げて行く様子も描かれています。
心静かに瞑想スペース
黄金の地、スワンナプームの部屋を後にすると次は「スワンナプームにおける仏教」の部屋となります。静かで僧の説法が流れる、神秘的な瞑想空間となっています。腰掛スペースがあるので座って心を落ち着けて耳を傾けてみて下さい。
肌で感じる歴史の流れ
そしてサイアムからアユタヤ、タイへと国家を形成へ・・・、という歴史の流れが展示された部屋と続きます。アユタヤ時代の町は諸外国との交易により多くの外国人も住んでおり国際都市であったという。物資が集まる所、人も集まりその繁栄振りが伺える町並みの模型が展示されています。部屋の中央には王様の御座船や商船も展示されています。
戦いの部屋では隣国ビルマとの戦いも起こりました。昔の戦闘服は水牛の皮を纏っていたとのことです。大砲を使ってのゲームでは攻めてくる敵にめがけて大砲を動かしながらボタンを押して撃って倒します。ナビは3度のチャレンジにて勝利を収めることが出来ました。
大きなスケールで見るタイ
3階のエリアを見終えて、次は2階へやって来ました。地図の部屋では衛星写真の無い時代ながらもほぼ正確に描かれた世界地図やタイの地図が展示され、そしてこのタイという国、国境は一体どうやって線引かれたのか、というテーマの説明です。それによれば、今から100年以上前、タイは今よりも広い国土でしたが、西洋の列国の植民地政策により現在のラオスとカンボジアの部分がタイより切り離されました。これ以後タイは領土を拡大することなく、現在の国の形となるのでした。
竹細工のミニチュア模型やからくり人形、知恵の輪や鉄砲のおもちゃ等が展示されています。 
竹細工のミニチュア模型やからくり人形、知恵の輪や鉄砲のおもちゃ等が展示されています。

竹細工のミニチュア模型やからくり人形、知恵の輪や鉄砲のおもちゃ等が展示されています。

西洋の文化を多く取り入れたタイは近代化が一気に進み、大きな変貌を遂げて行くこととなりました。生活様式の変わり様が手動式のアニメーションによって伺い知ることが出来ます。
近代から現在へと時代は移り、平和な時代を象徴するかのようなモノに溢れた世界を表現しており、特にエンターテイメントの分野ではアメリカの影響が大きかったことを物語っていました。
タイの未来
明日のタイ、という部屋ではパネルにペンで字を書いて送信すると、目の前の大きなスクリーンにメッセージがプカプカと表示されます。
グッズ販売・食事も
1階受付の右側のエリアにはショップがあり、凝ったお洒落なデザインの博物館オリジナルグッズが数多く販売されています。
博物館敷地内にはカフェレストランも有りますので、休憩を取りながらゆっくりと見回ることも出来ます。
いかがでしたか?
王宮やワットポーのすぐ近くですので、ついでに寄ることも出来ますね。 ナビが行った日もタイの学生が課外授業の一環として多く訪れていたので、ちょっぴり学生気分が味わえました。
タイについて楽しみながら知識を深めることが出来るこの「ミュージアム・オブ・サイアム」は、単なる展示博物館ではなく、学習型博物館として価値が高いと感じました。
以上バンコクナビがお伝えしました。
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記事登録日:2008-06-25

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2008-06-25

利用日
女性 男性