王室で擁護される特別な象「ロイヤルエレファント」に関する品々が集められた、ちいさな博物館です。
こんにちは、バンコクナビです。タイを代表する動物といえばゾウさん。象をかたどったマスコットや象柄のTシャツなどは、定番のタイ土産ですよね。
現在のタイ国旗は、それぞれ「国家・仏教・王室」を表す「赤・白・紺」三色のものですが、ラーマ4世の時代には国旗に象の姿が描かれていたのをご存知でしょうか?このようにタイという国にとって神聖さの象徴である象、タイ王室・ロイヤルファミリーと象が昔から深い関係にあるのはいうまでもありません。
今日ナビは王室と象との関係を知るべく、「ロイヤルエレファントミュージアム」へやってきました。ここは、タイ王家に擁護されてきた歴代のロイヤルエレファントたちに関するものが展示されている博物館なのです。
ロイヤルエレファントとは?
厳正な基準を満たし、王室で擁護されている象のこと。タイでは白い象はたいへん神聖なものとされ、王が持つサパタ・ラッタナー(ダイス・象・馬・軍・宝・宝石・配偶者の7つの財宝)の中の1つで、国に富と栄光をもたらすものとされています。
王室で3頭所有すれば良いとされるロイヤルエレファント、現タイ国王であるプミポン国王は7頭を所有されています。
◆ ロイヤルエレファントの条件
ロイヤルエレファントであるための条件は、体だけではなく爪や耳の中まで白いこと、眠るときもいびきをかいたりせず寝相よく上品であることなど非常に多岐に渡ります。まさに選ばれし象なのです。
◆ 中へ
豆知識はさておき、早速足を踏み入れてみましょう。
ロイヤルエレファントミュージアムがあるのは、ウィマンメーク宮殿の敷地内の一角。この辺り一帯が王室と政府関係の建物がある場所になっていて、博物館のお隣には国会議事堂が、向かいにはドゥシット動物園があります。ロイヤルエレファントミュージアムはちいさな博物館で、入場料は無料!なので、ウィマンメーク宮殿に来た際にちょっと覗いてみるという感覚でも良いですね。
王室関係の施設なので中は土足厳禁、写真撮影・たばこももちろん禁止ですし、タイ国民は王室に対する不敬罪が現存している国なので、敬意を欠いた振る舞いはぜったいに避けましょう。
◆ 約3メートルの象牙
博物館は二棟に分かれています。一棟目には、歴代の象の遺品が展示されています。その中でも真ん中にある象牙は圧巻。ラマ3世の所有していた象の牙はなんと2メートル97センチ!当時はロイヤルエレファントに乗って王が戦いに出ていたそうです。象牙は力の印でもあったわけですね。
歴代のロイヤルエレファント。よく見ると牙の長さや向き、鼻の長さが違いますね。
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中にはこんなものまで…。ラマ?世のロイヤルエレファントの皮膚のホルマリン漬けです。
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◆ ゆかりの品
博物館の中には、ロイヤルエレファントの遺品と共にゆかりの品も納めれられています。
これは、ラーマ5世の治世に、王が所有するロイヤルエレファントのために作らせた建物。
しかし完成を待たずに王が寵愛していた象が他界し、建物は建設途中で放置された状態でした。
それをラーマ6世が修復され、「白い象の家」と呼ばれるようになったというものです。
◆ 等身大の象様
博物館の二棟目には、等身大のロイヤルエレファントが飾られています。その大きさと高尚さは、目の前で見ると圧巻です~。
◆ 展示品
ここでは、主にロイヤルセレモニーで使用された道具が展示されています。
ロイヤルエレファントの背中に乗せるプラチャイランチャン
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ロイヤルセレモニーの際に使用される楽器
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◆ 現在のロイヤルエレファントたち−「様」付きの象様
これまで見てきたように、タイ王室と象の関係はとても深いものがあります。右の写真は、プミポン国王とロイヤルエレファントを写したもの。
下は、プミポン国王に献上され、現在チットラダー宮殿で飼育されているロイヤルエレファントです。王様の所有物として24時間のセキュリティーと獣医常駐のロイヤルエレファントインスティテュートによって大切にされています。名前は「クン・プラ」〔クン:○○様という敬称、プラ:王や位の高い方に尊敬語としてつけれられる言葉〕を付けて呼ばれ、官位を与えられて崇められているのです。
タイ歴史上初めて白象が見つかった時、白い猿とカラスも見つかったとされ、白い動物は王の神聖な力をサポートするための使いだと信じてられていました。
◆ 行き方
場所:BTS戦勝記念塔(アヌッサワリー)駅3番出口からスカイウォークをまっすぐ進んで、記念塔が見えたところで左側のバス停に下ります(バス停B)。ここからタクシーに乗るのがおすすめですが、いつ来るか分からないタイのバスを待つ余裕があるのなら、55番のオレンジ色をしたバスで行ってもOKです。
ロイヤルエレファントミュージアム、いかがでしたでしょうか?
博物館自体は小さく、見るのに1時間もかからないかもしれませんが、外国人には理解しがたいタイ国と象とのディープな関係性を知るという意味では訪れるに値する場所ではないでしょうか。
また、館内はエアコンが効いていてとても涼しいので、ウィマンメーク宮殿のお庭を散策しているときなど、体を休めに入るというのも一つの手ですよ。
以上、バンコクナビでした。