タイ旅行のお土産 ナンバー1、タイシルクのジムトンプソン 数奇な運命を辿った創設者ジム トンプソン氏が住んだ家は博物館になっています
サワディカップ バンコクナビです。タイ旅行のお土産と言えば、どんなガイドブックやウェブサイトでも必ずトップに紹介されるのがタイシルクのジムトンプソン。日本の銀座にもお店がある「超」が3つ付く位有名なブランドです。そしてこの“ジムトンプソン”という名前、実は人名だって知ってました?
ジムトンプソン氏はアメリカ人、本名はジェームズ ハリソン ウィルソン トンプソン、元軍人でスパイ映画にも出てくる諜報組織CIAの前身であるOSSに所属、第2次世界大戦中、日本軍への秘密作戦に参加するため東南アジアへ派遣されます。その後終戦により本国アメリカへの帰国命令が発令されますが、そのままタイに在留しそこでタイシルクに出会います。当時のタイの絹製品は大量生産の安物が出回り、品質も最悪、ブランドどころか粗悪品のレッテルを貼られていました。
ジムトンプソン氏はタイシルクの復興に傾注し、生産、染色、品質管理などを進め、アメリカのファッション業界にタイシルクを売り込むことに成功、ハリウッド映画『王様と私』の衣装にも取り入れられたことにより実業家としても成功を収めます。
そして運命の1967年、休暇で訪れたマレーシアのキャメロンハイランド高原で忽然と姿を消します。地元の警察は勿論、マレーシアの軍隊まで総動員で捜索を行いますが、遺留品一つ発見されないまま行方不明となり現在に至っています。
こんな数奇な運命を辿ったジムトンプソン氏が8年間住んだ家が、今は博物館になっています。それでは中を覗いてみましょう。
ロケーションと施設
ジムトンプソンの家があるのはBTSナショナルスタジアム駅、バンコクを南北に走るシーロムラインの終点駅です。1番出口の階段を降りてすぐUターンし100メートル先、小さな路地「soi Kasemsan 2」曲がって300メートルほど、恐らく道に迷うことも無く、誰でも簡単に行くことが出来る場所にあります。またこの路地の中では専用のトゥクトゥク三輪車が頻繁に往復していますので、誰でも利用することが出来ます。見かけたら手を上げて乗せてもらって下さい。
最初の門を入ると左右に木造の建物があり、片方がジムトンプソンショップ、普通にタイシルク製品を販売しています。もう片方がレストランになっていて、ランチ・ディナーを頂くことが出来ます。こちらに来られる場合、午前中早めの時間に見学を終え、ランチを頂くのがベターかもしれません。
BTSナショナルスタジアム駅1番出口
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階段を降りたらUターンします
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レストランはとっても近代的
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ショップ店内
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博物館
中庭は砂利が敷き詰められています
ジムトンプソン氏は東南アジアに駐留していたため、タイは勿論カンボジアやラオス、ミャンマーなどタイの周辺国の古美術コレクターでもあり、彼の収集した美術品が展示されています。また建物そのものもタイの古式建築に興味が深かった様子で、アユタヤにあった建物を移築したものもあるそうです。6軒の家が中庭を取り囲むように建築されています。
特徴
この場所で見ることの出来るものは、先に述べたジムトンプソン氏の集めた美術品だけでなく、「氏が住んだ家」そのものであるというのが非常に面白い点です。
彼のダイニングルーム、仕事部屋、寝室、客間などまさに生活の場と言える場所そのものが展示品であり、またそこでどのような暮らしぶりをしていたのかを知ることが出来るのがただの博物館でなく“ジムトンプソンの家”=Jim Thompson House & Museumと呼ばれる所以でしょう。その点ではラマ5世王が実際に暮らした宮殿「ヴィマンメーク宮殿」に通じるところがあります。そして英語、フランス語、日本語、中国語のガイドが常駐していて無料で案内してくれます。これもヴィマンメーク宮殿と似ていますね。
家の外は自由に観覧できますが「家」の中に入るにはガイドが一緒に入らなければならないので、受付でチケット購入時に日本語ガイドの時間を確認しましょう。
料金に関して
彼の遺産を守るため財団法人となっています
このジムトンプソンの家は少し変わった料金形態となっています。
乳幼児から9歳までは無料、10歳から22歳まで100バーツ、23歳以上が150バーツとのこと、恐らく大学4年生までは学生料金ということでしょうか。ただし証明するものを持参しないと大人料金が適用されますので、22歳以下の方はご注意下さい。お子様に関しても同様で、カラダの大きいお子様をお連れの場合、9歳以下であることを証明できるものをご持参下さい。
見学に関して
喫煙コーナーにもジムトンプソン氏の写真
建物内へ入る際にはロッカーに私物は全て収納することになっています。また土足厳禁ですので、靴を脱いでお上がり頂くことになります。
施設を長く保存し、万が一の事故などを防ぐためですので、ご了承下さい、尚建物の中の撮影は禁止されておりますので、こちらもご協力をお願いします。
ブランド名は知っていたけれど、その創設者が辿った数奇な運命まではご存知無かった方も多いのではないでしょうか。逆に言えばその数奇な運命がブランドとしての価値をさらに上げる結果に繋がったとも言えるジムトンプソン、行き方も簡単ですので、ジムトンプソン ブランドに興味のある方は是非寄ってみて下さい。以上バンコクナビでした。