タイの花文化を紹介した博物館
サワッディーカー、バンコクナビです。タイを旅行していると、あちこちで花を使った飾りを見かけませんか?ホテルの花屋かなフラワーアレンジメントから、タクシーのバックミラーに飾られたジャスミンやマリーゴールドの花輪まで。タイの人達の日常生活には、花は欠かせないものなんです。そんなタイの花文化を紹介する「花の文化博物館」がいま、観光客やタイ人の間で注目を集めています。今回は、その博物館をご紹介します!
行き方
花の文化博物館は、ドゥシット地区の閑静な住宅地にあります。博物館のHPには、チャオプラヤー川をボートで上る行き方を紹介していますが、一番早くて簡単な行き方は、BTSアーリー駅からタクシーに乗ること。場所は、Samsen Road Soi 28に入り、Yoek Soi Ongkrak 13を曲がり30m程の所にあります。タクシーの運転手には、以下のタイ語を見せましょう。
タクシーの運転手に見せましょう
BTSアーリー駅です。タクシーはここから
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花の文化博物館の入り口です
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花の文化博物館とは?
花の文化博物館は、タイが世界に誇るフローラルアーティストのサクン・インタクンさんが、2012年8月12日(タイの女王の80歳の誕生日にちなんで)にオープンさせたミュージアムです。タイの花にまつわる文化に焦点を当てつつ、インド、中国、日本、ラオス、バリ、インドネシアなどアジア各地の花に関する文化も合わせて紹介しています。
創設者のサクンさんはとってもすごい人で、ゴルチエやブルガリなど世界的な有名ブランドのフローラルアートや、国王の戴冠記念などタイ王室の大切な行事の装飾も依頼されるなど、国内外で高く評価されているトップアーティストです。なんと、ローマ国際映画祭のレッドカーペットでも、花を使ったインスタレーションを披露しています。この博物館は、そんなサクンさんがこだわって作り上げ、彼の世界が垣間見える場所となっています。
建物もこだわりの、コロニアル様式のチーク材建築。100年ほど前のラーマ6世の時代に建てられた貴重な館です。タイ式と禅の様式を融合させて造られた庭園もあり、総面積は1800㎡。花や自然、タイ文化を愛する人々のためのスポットとなっています。
ちなみに、庭には草花や木が一杯なので、蚊もいます。蚊よけスプレーは忘れずに持参しましょう。
庭も素敵です。夜はライトアップされます
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蚊よけスプレーは、タイのコンビニで300円程
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展示の一部を紹介
2階建ての博物館には、花の文化に関するものや、サクンさんの作品の一部が所狭しと飾られています。店内は撮影禁止なので、博物館の方に頂いた写真を少しだけお見せしますね。
1階
まず【タイの花文化の歴史】から。タイ最初のフラワーアーティストとされるラーマ4世の王女の紹介や、その時代に生花がどう装飾に使われていたのか、写真を使って展示されています。
【アジアの花文化の展示】では、インドの花市場や、バリで儀式に使う花のモチーフ、日本の華道の始祖・池坊の生花の秘伝を記した巻き物も展示されています。花文化は宗教と密接に関連し、宗教の伝来とともにインドからアジア各地に広まっていった様子も説明されています。また、竹で作った矢倉をたくさんの生花で飾り付ける【タイ北部に残る独自のソンクラーン文化】の展示もあります。
【タイの花文化遺産】のコーナーでは、タイならではの花文化が見られます。南国タイでは、一年中暑いので、大量の花が咲いては散って痛みも早いのですが、そんな花を愛で、少しでも命を長らえるために編み出された工夫の数々を紹介しています。タイでは結構、花をバラバラに分解して、台紙に縫い付けたり、虫ピンでとめたりしています。
2階【サクンさんの過去の作品展示】では、タイ王女の誕生日を祝うため、王女が描いたイラストを花で表現した作品、サクンさんのインスピレーションを描いたスケッチなど、作品の一部やその写真を展示しています。他にも、結納で使われる花やバナナの葉を使った縁起物を入れる容器や、ロイクラトーンで流すクラトーンなど、【タイの冠婚葬祭を彩る花々】の展示もあります。と、ここでは書きつくせないくらいの展示があるので、詳しくは実際に訪れてみてくださいね。
あちこちに花使いのヒントが!
博物館の中では、展示以外にもいたる所に、花をどうやって飾ると素敵なのかのヒントがあります。菊のような花も、同じように花瓶に入れて並べるとお洒落な雰囲気になるんですね。日本でも真似できそうなヒントがいっぱいなので、展示だけでなく館内の花とインテリアにも注目して下さいね。
庭もチェック!
広い敷地の庭にも、サクンさんのこだわりが一杯詰まっています。日本では見られない花や植物がいたる所にあります。例えば、コウモリのような姿の植物や、子どもの背丈ほどの高さのバナナの木(すぐ後ろに普通のバナナの木もあるので大きさが比べられますよ)など、学校の植物観察のような気分で学べます。もちろん、そんな細かいことはいいよ、という人は、イスもあるので、丁寧に手入れされた庭でゆったり寛ぐこともできますよ。
日本語ツアーもあります
左はサクンさん。右がマキさん
花の文化博物館は、博物館ですが展示の説明書きは一切ありません。なんでも、お友達の家に遊びに来たようにリラックスして楽しんで欲しいという、こだわりだそう。でも、説明がないとよく分からない、という方もご安心を。水曜日のみ(午前10時半頃~)日本語のツアーがあります。自身もプロの画家というマキさんが、ボランティアで展示も庭園も詳しく説明してくれます。ただ、マキさんの都合もあるので、日本語ツアーに参加したい方は、事前に予約するようにしてくださいね。
ちなみに、博物館のチケットは、150バーツです(17歳以下と65歳以上は75バーツ)。
アフタヌーン・ティーを楽しみましょう!
ナビがこの博物館をオススメするもう一つの理由が、アフタヌーン・ティー。館内で花々を眺めながら優雅にお茶とお菓子を楽しめるんです。その名も「ドクマイタイ・サロン・ド・テ(タイの花のティーサロン)」。サクンさんが世界中を旅して出会った魅惑のお茶とお菓子が、テラス席で楽しめます。サクンさんの審美眼に適ったお茶もお菓子も、独特の味わいで美味しいですよ。
【Inspired Tea Set for One】
ティーセット(1人用)240バーツ
※お茶は数十種類から選べます。
※お菓子は、タイ、インド、日本、中国で食べられている伝統的なお菓子が揃っていますタイはココナッツミルク、日本は小豆と、風味や特徴が違って新鮮な驚きがあります。
【One Pot of Tea】
お茶(選んだお茶をポットで楽しむ)120バーツ
他にも、
蜂蜜入りパヨン・フラワーティー 120バーツ
ローズ・グリーンティー 120バーツ
ミルク入りタイ・クラシック“Yok-lor”コーヒー 100バーツ
ホットコーヒー 100バーツ
などが揃っています。
美しい器に盛られた可愛いお菓子
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お茶にお菓子が合います
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こんな素敵なテーブルでアフタヌーン・ティーを楽しめます
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席から見える景色からもサクンさんの世界観が伝わります
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お花の文化をハガキでプレゼント
日本語ガイドをしているプロの画家マキさんが描いたポストカード
花の文化博物館に来たら、ぜひオススメしたいのがポストカードの郵送サービス。花のポストカードにタイで販売された花モチーフの切手を貼って、博物館内にあるポストに投函すれば、タイの花文化の一端を日本にいる友達や家族に届けることができます。ポストカード(1セット90バーツ)も切手も博物館で買えるので、ぜひぜひトライして下さいね。ポストカード郵送サービスは、海外へは20バーツ(手数料・切手代)です。
幸せネコとバリの置物も要チェック!
館内には、カワイイ猫ちゃん達も住んでいます。運が良ければ、会えるかも??他にも、サクンさんがバリで一目惚れして連れて帰って来た動物の置物も、いい感じでオブジェになっているのでチェックしてみて下さいね!
ずらっと並ぶ椅子の後ろに居るのが、、、
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バリから連れて帰って来た置き物です
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いかがでしたか?日本では、花というと枯らさないように大事に扱いますが、それとはまったく違うタイの花文化。アイディアと工夫次第で、花を使ってこんなにお家を素敵に出来るんだ!という発見とヒントが、この博物館には満載です。ぜひ、チェックしてみて下さいね!以上、バンコクナビでした。