メー・ナークという女性の霊が祀られているオンヌットエリアの寺院。宝くじの当選番号がわかるという神木もあります。
サワディーカップ、バンコクナビです。今回ご紹介するのは外国人旅行者にはあまり知られていませんが、地元のタイ人には大人気のワット・マハーブット。メー・ナーク(ナークお母さん)という女性の霊が祀られているお寺です。霊が祀られているといってもおどろおどろしい雰囲気は少しもありませんのでご心配なく。さまざまなご利益も得られます。
不思議なオブジェの並ぶ境内
お寺は最寄り駅のBTSオンヌット駅から歩くとけっこうな距離がありますので、タクシーを利用するのが無難。「パイ・ワット・マハーブット(ワット・マハーブットに行ってください)」と告げてください。オンヌット駅からだと10分くらいで着きます。
境内に入るとまず目につくのはきらびやかなタイ様式の寺院。高い仏塔なんかもあります。そしてそれらに交じってスーツを着た銀色の骸骨など不思議なオブジェもあったりして、境内を散策しているだけでいろんな発見があって楽しめます。
メー・ナークを参拝すると恋愛運もアップ?
メー・ナークが祀られているお堂は境内のいちばん奥。プラカノン運河に面した位置にあります。
お堂の入り口にはメー・ナークの肖像画や人形が飾られています。かなりの美人のようですね。バンコクに住むタイ人の間では実在の人物と考えられているようです。
<メー・ナークのストーリー>
ここでメー・ナークのストーリーをちょっと簡単にご紹介しましょう。
ときはチャクリー王朝初期の頃。村長の娘であるナークは村長の庭師として働いていたマークと恋人関係になります。それを知った村長は激怒。庭師のマークをナークから遠ざけ、ナークと金持ちの中国人との縁談を勝手に進めていきます。それを知ったナークはマークと駆け落ちをして結婚します。
ナークは妊娠しますが、その妊娠中にマークは徴兵されて村を出ていきます。ナークは産気づきますが、難産でお腹の子供といっしょに死亡。村人によって手厚く葬られます。
その後、ナークとその子供は幽霊になり、戦場から帰ってきたマークといっしょに生活を始めます。ナークが幽霊であることに気付いていないマークに村人は「あれは幽霊で呪い殺される」と忠告しますが、彼は聞く耳をもちません。
しかし、ある日、マークはナークが地面に落ちた物を拾うのに尋常でないほど手を長く伸ばしたのを見てようやく幽霊であることに気付きます。ワット・マハーブットの僧に助けを求めに行きますが、そうしている間にナークは凶暴化して村人を次々と呪い殺していきます。が、最後は霊感の強い少年僧に退治され、その骨は運河に投げ捨てられました。
<参拝方法>メー・ナークは罪のない村人を次々と呪い殺していった悪霊ではありますが、幽霊になってまで夫を思い続けた一途な女性でもあります。そのためか、一部の間ではメー・ナークを参拝すると恋愛運アップに効果があるとも言われています。というわけで、その参拝方法を紹介します。といっても、ナビも本当は参拝方法がよくわからなくて、他のタイ人の参拝客がやっているのを見よう見まねでやってみただけなのですが……。
まずはお堂の窓口で20バーツのお布施をして、線香、ろうそく、金箔の3点セットを受け取ります。ろうそくに火を灯してろうそく立てにさします。そしてそのろうそくの炎で線香も灯し、両手に挟んでお祈りをしてから線香立てにさします。
次にメー・ナークを模った像の前に行き、両手を合わせてお祈りをしてから金箔をペタッと貼り付けます。これで恋愛運アップ……したのかなあ?
<宝くじの当選番号がわかる神木>メー・ナークのお堂の横には一本の神々しい木が植えられています。この木の幹を指先でごしごし擦っていると宝くじの当選番号が浮き出てくるらしいです。宝くじファンのタイ人の間では有名なんだとか。宝くじなどのギャンブルにはまったく興味のないナビは試してみませんでしたが、興味のある方はぜひ試してみては。
魚を川に逃がしてタンブンする
メー・ナークのお堂のすぐ目の前にはプラカノン運河が流れており、その運河に沿うようにして小魚や亀のお店が並んでいます。これらはペット用ではなくタンブン(功徳を積む)のため。買い取って川に逃がしてやることでタンブンになるのです。
お寺からの通りには駄菓子屋や占い屋など
お寺の参拝を終えたら、すぐに帰るのではなく、お寺から長く伸びる小路もぜひのんびりと歩いてみて。小路の真ん中あたりに小学校があるので駄菓子屋や食べ物の屋台がたくさん並んでおり、下町情緒たっぷりです。
いかがでしたか? メー・ナークはタイで何度も映画化されており、2013年には「ピー・マーク・プラカノン」というタイトルでリメイクされました。この作品は日本の映画祭でも上映されましたので、近いうちに日本語版のDVDも発売されることになるかも。メー・ナーク作品を観てからこのお寺を訪れればきっとさらに楽しめます。以上、バンコクナビでした。