国王陛下のお膝元でノンビリ暮らす動物たちとの懐かしささえも感じる出会い!
サワディーカー! バンコクナビです。みなさんは、最近、動物園に行きましたか? 世知辛い世の中であわただしい日々を送っていると、自分がなんとなくトゲトゲしい人間に思えてくることがありませんか? 「ペットがいれば、この気持ちも癒されるのかも…。」と思う前に、動物園に行ってみましょう。マイペースな動物たちの顔を見てると日ごろのストレスが不思議と引いていくものです。
今回はバンコクの北西部、現国王陛下が暮らすお膝元に程近い、「ドゥシット動物園」で子供の頃にワクワク、ドキドキしたあの動物たちに心癒されてきました。
難易度高め。目的まで辿り着くのは少し大変です。
電車やバスなどの交通機関を使って向かうには少し大変です。BTSビクトリーモニュメント(Victory Monument)駅のN3番出口を降りてすぐのバス停からバスで目的地へ。515、528番系統のバスに乗って車掌さんに「สวนสัตว์ดุสิต(スワンサッドゥシット)」と告げて料金(12バーツ)を払えばOK。なお、支払い時に渡される小さな紙切れはレシートですので降りるまでは無くさないように! 時折り行われる抜き打ち検査で持っていなければ始発地点からの料金を払うことにもなりかねません。
ということで、ナビとしては何かと細かく考えるよりもタクシーで行ったほうがオススメです。簡単だし、4人以上ならタクシーの方が安上がりです。
そうこうするうちにバスが到着、乗り過ごさないように気をつけてください。
門をくぐると昔懐かしの雰囲気
今回入場したのは、園の北側に当たるラーチャティヴィー通りの入り口。他にもラマ5世通り側、ウートーン通り側にも入り口があります。
入場料は大人100バーツ、子供50バーツ。外国人価格とはいえとってもリーズナブルに設定されています。
デュシット動物園は先代のラマ5世国王陛下の私庭(植物園)だったものを1938年にバンコク都が譲り受け動物園としてオープンしました。その後、国の施設としてZoological Park Organizationに経営を移され今に至ります。現在では300種を越える哺乳類、200種を越える爬虫類そして800種を越える鳥類が飼育される国内でも最大規模の動物園です。
さっそく、東回りで園内を周ってみましょう。
園内を東回りに散策スタート
まず出迎えてくれるのが、絶滅危惧種にも指定されているオナガザル仲間、「ドゥクラングール」です。メコン川流域に生息するドゥクラングールはかつての乱獲により、絶滅寸前に追い込まれています。元来、ストレスに弱いため致死率が異常に高く、人間の手で繁殖させるのは不可能に近いと言われてきましたが、こちらデュシット動物園のスタッフの努力が実り、現在では4つの群れに25匹を繁殖させることに成功しています。
先に進むと、ゴリラやチンパンジー、オランウータンなどのサルや類人猿のエリア、トラやライオンなどのゲージがあります。
触れることもできるのが嬉しい!
次に向かったのは、「アニマル・プレゼンテーション(Animal Presentation)」と呼ばれるエリア。野生(?)動物の生態を目の当たりにすることができるエリアです。オウムを肩に乗せ写真撮影したり、できます。
向かいにあるのは「爬虫類の館(Reptiles House)」。恐竜が栄えた時代を髣髴させる亜熱帯の植物の中に生えた、大きな木の根元をくぐると・・・。という設定のようですが、なかなか派手で入る前からドキドキしてきます。入り口から一歩足を踏み入れるとそこは……みやげ物屋さんでした?! さすがタイと言うべきなのか、なかなか商魂逞しいのがタイ・スタイル。でも、「気温も高く日差しも強いですから、充分に水分補給しながら園内を楽しんでね」というタイ人の優しさなのでしょう。
のっけから脱線気味ですが、ついに爬虫類を発見! 日本ではまずお目にかかれない種類のヘビ、やトカゲ、ワニ、カメなどのお馴染み爬虫類に加え、カエルなどの両生類など80種類以上が紹介されています。特にワニは「手を伸ばせば届くかも?」と思える大きさと臨場感。見渡すと案の定、「手を出すと危険」の張り紙がありました……。生きている爬虫類は苦手なナビスタッフ、ここはこれくらいにして退散です。建物を抜けると見える、園内のセブンイレブンの看板が思いのほか安心感を与えてくれます。
クマとカバは水場が大事?
「くまの家」とタイ語で書かれた門をくぐると、うっそうとした山奥をイメージさせるゲージの中でクマがなんとも気持ちよさそうに過ごしています。さらに歩を進めると、ここドゥシット動物園の目玉の一つカバのエリアです。カバの棲むエリアに作られた水場と同じ高さに、ガラスでゲージが組まれカバと同じ目線で、運がよければ間近に観察することが可能です。もともと敏感肌で有名なカバですので、タイの日差しの下では頻繁に水浴びしてくれます。それを間近で見られるとあれば、来た甲斐があったというものでしょう。
世界にただ1頭、真っ白なホエジカ
ファンタジーの世界から飛び出してきたかのような、真っ白な生き物。生物学的には生まれつきメラミンが欠乏した状態で、先天性白皮症またはアルビノの個体とも呼ばれます。ここ、タイでは女性がことさら「白い肌」に情熱を傾けるように、「白さ」イコール「高貴さ」であるとも言えます。
ここで飼育されている、アルビノのホエジカは世界で唯一の雄の個体だそうです。現国王妃、シリキット王妃殿下からの贈り物として大切に育てられています。
橋を渡って西側エリアへ
ドゥシット動物園は中央にある大きい池をまたいで、大きく東西のエリアに動物たちが飼育されています。その池の中央にある橋を渡ると辿り着くのが、色とりどりの鳥類を集めた巨大な鳥かご(Walk Through Aviary)です。
1万?を越える文字通り巨大な鳥かごの中央を通り抜けられる構造になっており、色とりどりの南国の鳥たちの生態を観察、体験することができます。
また、周囲にはフラミンゴを集めた池(飛び立てないように、天井に網が張ってあるのが少しカワイソウ)や、タカやワシなどの猛禽類を集めたエリアも設置されています。
動物園の西の端はいわゆる定番動物を集めたエリア、象やワラビー、鹿などお馴染みの動物たちが、これまたマイペースでノンビリ暮らしています。また、この一角にはZoo Museumと呼ばれる展示資料室もあります。こちらでは、標本の展示やビデオによる生物の起源や生態、環境についてなどの説明を受けることができます。
夜行性の生き物の生態を観察!
そのまま歩を北に進め、もうすぐ出口が見えてくる辺りの左手に見えるのが、この動物園のもうひとつの目玉、Noctumal Houseです。文字通り室内は暗く、冷房も効いていて夜の闇の中を連想させます。そう、ここは夜行性の動物が活動している様子を観察できるように、動物たちには気の毒な気もしますが、昼夜逆転の生活を送ってもらい見学者に見てもらおうという施設なのです。
フクロウやムササビなど夜を代表する動物たちを筆頭に、ジャコウネコやハリセンボン、スカンクなどの普段の動物園だったら寝ているところしか見られない生き物を見ることができます。が、やはりここがタイだからなのか、暗くて涼しくてもやっぱり寝ている動物がいるというのは、それはそれで人間界の縮図のようで、皮肉っぽくもあり、面白くもありといったところです。
最後はアフリカ・ゾーン
Noctumal Houseを抜け、カワウソのゲージに足を止め、振り返るとそこには「アフリカ・ゾーン(Africa Zone)」と銘打ち、アフリカ大陸の動物を集めたエリアが広がります。
アフリカと言えばお馴染みのダチョウやシマウマ、キリンなどがノンビリと餌を食べる姿を眺めることができます。
定番どころを抑えたオススメ散策スポット
ドゥシット動物園の動物たちのご紹介いかがでしたか? 日本の大規模な動物園やサファリレジャー施設のように、ありとあらゆる動物を集めてきたというわけではありませんが、日本の地方都市の動物園のように、運営側が独自の工夫をこらして少しでも楽しく過ごしてもらえるようにと努力しているのが傍から見ても感じられ、とても楽しく1日が過ぎていきました。今回は飼育されている動物たちにスポットを当てましたが、日を改めて、盛りだくさんな園内のアクティビティや付帯施設などにスポットを当ててご紹介します。
以上、バンコクナビがお伝えしました。