ナビが個人的に御用達。イサーン料理の隠れた名店。
サワディーカップ! バンコクナビです。
イサーン料理(タイ東北部)と言われて思い出すのは、ソムタム、ガイヤーン、ラープといった定番料理ではないでしょうか。日本では思いもよらない味付けの辛くてハーブが利いたイサーン料理で、ビールやウィスキーを呑みつつ、ガイヤーンのような辛くない料理で舌休め。
個人的にはおかずというよりも、酒のおつまみと言った印象の強いイサーン料理。今日、ご紹介するのはラチャダピセークのジャスコ・ラチャダー店の裏にある、イサーン料理店「ソムタム・ルンヌワッド」です。
場所はジャスコ、シーワラマンションの裏
地下鉄が開通して以来、日本人の在住者がどんどん増えて来ている、ラチャダー地区。日本食材が手軽に手に入るジャスコがあり、エスプラネードへ行けば大戸屋、ココイチといったお馴染みの日本料理店もある、日本人には便利な場所です。
住居の開発も進んでおり、毎年新しいコンドミニアムが完成し、アパートも数多く存在しているラチャダー地区を代表するマンション「シーワラ・マンション(日本人も数多く住んでいます)」のすぐ裏手に「ソムタム・ルンヌワッド」はあります。
通りの名前は「チャンムアン通り」。幅5メートルほどの狭い通りで、自動車、バイク、歩行者が所狭しと駆け回る、かなりローカル度の高いソイです。そのソイ11の角っこにお店はあります。
通り沿いはお持ち帰り、裏に廻ればレストラン
通りとソイの角に立つ同店は、ものすごく目立ちません。周囲に溶け込みすぎて普通に通り過ぎてしまいそうです。とはいえ、早朝から通りに面した屋台でお持ち帰り用のガイヤーンやソムタムを販売し、昼食時以降は周囲のサラリーマンが大挙して押し寄せる人気店。ですが、日本人の姿を見かけることはほとんどありません。大きな理由は不衛生そうに見える見た目なのでしょうが、実際は……
観光で来る人には難しいそうですし、都会育ちの方にも無理な気がします。ちなみにナビはこのお店に5年以上通ってますが慣れもあってか、お腹を壊したことはありません。
が、ここは自己責任ということで。しかし、タイ人に言わせるとタイ料理は「汚い店ほど旨いことが多い!」とのこと。分からないでもないですね。
味と値段が人気の理由
厨房担当のチャーイさん
イサーン料理がメインなのですが、特にメニューはありません。その時に食べたいものを口頭か紙に書いて伝えるスタイルです。タイ人と一緒に行けば完全にお任せでも大丈夫ですが、そうでない場合は多少、予習が必要かもしれません。厨房を預かるチャーイさんによると、「作れるものは何でも作る!」とのこと。とはいえ、トムヤム・クンのようなシーフードを使ったものは無理なのであしからず。
さらに嬉しいのがそのお値段。1皿30バーツ~で100バーツを超えるメニューはほとんどありません。いつも酔った勢いであれこれ注文して、夕方から終電がなくなるころまで居座って酒代を入れても500バーツを超えたことのない財布に優しいお店なのです。
ナビのオススメは、店名にもあるようにソムタム、ガイヤーン、トムヤム・セープ(豚スペアリブを使ったトムヤム)、豚のラープ(他店よりもかなり辛さ控えめです)など。
特にオススメなのがナマズのラープ。ナビの個人的な感想ではここのナマズのラープ(ラープ・プラードゥック)よりも美味しいラープにお目にかかったことがありません。辛すぎず、塩味も丁度良く、まんべんなく火の通ったラープはナビの友人のタイ人の多くも認めるお味です。
また、イサーン色豊かというべきか、ハーブやキノコなどがたっぷり入ったゲーン・オムもバンコクっ子に言わせると「この店で食べてから好きになった」というほどのものらしく、説明に窮するくらい複雑な味が酔い覚ましに最適です。
絶品! ラープ・プラードゥック(ナマズのラープ)
この日は某社のデザイン部門の現役、OB集っての新年会(といっても事あるごとに集まっては、酔っ払って盛り上がるだけの会なのですが…)、タイ人にオーダーはお任せしてナビはお喋りと呑みに徹することにしました。
ガテン系な仲間内での飲み会の暗黙のルール
友人いわく、男ばかりが集まってダラダラとお酒を呑むような集まりでは「一応」、暗黙のルールが存在するようです。
まず、水割りを作ったり、途中で継ぎ足したりするのは場の中で最年少の人の役目。いつもは周囲のタイ人が気を使ってくれるのでナビが最年少の時もその任を逃れることが多いのですが3次会くらいまで行ってしまうともはや逃れようがありません。
次に、支払いについてですが、最年長の人が代表で払い、事前や事後に別途徴収します。
これは、目上の人を立てるという行為の一環なのかもしれません。
「ここは日本人の私が!」と言いたい所を遠慮して目上の人を立てる必要があるようですが、多めに払う理由があって、前もって話が通っていればこの限りではありません。
タイの意外な縦社会が見え隠れして面白いですね。
オーナーの立派なヒゲがシンボル
中央のヒゲのオジサンがオーナー。
こちらの店名「ソムタム・ルンヌワッド」の“ルン・ヌワッド”は日本語で「ヒゲのオジサン」という意味、こちらのオーナーのあだ名がそのまま店名になっています。そのオジサンの趣味は日曜大工。敷地内をいつもあれこれ改造しているため、来るたびにどこか違っているという塩梅で、この5年間でトイレの場所だけでも3回は変わっています。突然、店のど真ん中に池ができていたり、ステージが設置されていたり毎回、「何、また変えたの?」というのが挨拶になるほどです。
そして店内には野良だったり、飼い主がいたりともう訳が分からなくなるくらい犬や猫、時々人間の子供(全裸!)なんかも右往左往。みんあ愛嬌良くふるまっていて、咎める人も皆無なゆる~い雰囲気がたまりません。
お腹に自信のある人には超オススメのワイルド系イサーン料理店
結局、この日のお開きは深夜2時。知らないお客さんや厨房係りのチャーイさん達と一緒に盛り上がって大変でした。「夜の営業は1時を目安に、お客さんが帰るまで」とざっくばらんなところもナビが気に入っている所です。
この日は6人でウィスキー2本とビールが5本、料理も合わせて約2400バーツ。最強のコストパフォーマンスです。
お腹が頑丈な人、タイの水にも慣れてきたかなという人にオススメしたいイサーン料理店、場所がやや辺鄙な場所にありますが、友人とワイワイやりたい時にはオススメです。
以上、バンコクナビがお伝えしました。