学生時代にNYで出会った仲良しの2人がタイに戻り、それぞれの家族や友人、恋人を巻き込んで作った“理想のレストラン”。
“特別なミニバー” 気の合う仲間が集って作るお気に入りの空間
サワディー・カー、バンコクナビです。
唐突ですが、もしあなたが大の親友と一緒にレストランを開くとしたら、どんなお店にしたいですか? というよりもそんな夢物語のような話を想像したことがありますか?
今日、ご紹介する「ミニバー・ロイヤル(MiniBar Royale)」はそんな夢が現実になったお店です。
実はNAVIは以前からお気に入りだったのですが、このたびようやく取材のアポイントが取れました。「ついに、この時が来たか」と内心は悲喜こもごもですが、気合を入れてご紹介します。
場所は以前ナビでもお伝えしたサービスアパート、スクムビット通りソイ23のシタディン・バンコク・スクムビット23の1階。
共同オーナーのナティニーさんとクライデュアンさんは約15年前にNY留学中に知り合い、以降は大の仲良し。タイに戻ってバリバリのキャリアウーマンとなってからも2人の友情は変わらず、NY帰りの友人知人や家族までも巻き込んで、2人の理想のレストラン「Home away from Home(第2の我が家)を開きたい」との思いが実を結んだのが「MiniBar Royale」。
仕事に疲れたときだって「Close Friend, Good Food & Drink and Relaxing Atmosphereさえあれば元気になれる!」と、関わった全ての人のお気に入りを詰めこんだお店です。
この界隈はバンコクのオフィス街の1つアソーク通り(スクムビット・ソイ21)の裏通りに当たり、周囲には住居や娯楽施設、各国の料理店などが所狭しと並ぶ、ある意味相当ファンキーなエリア。
シェフも見つかり、「さて、どこに出店しようか」と考えていたときに偶然に舞い込んできたのがこの場所で、様々な巡り合せや幸運に後押しされて2008年にオープン。NYとまでは行かないまでも、かなり国際色豊かなエリア。訪れるお客さんも国際色豊かです。
外観は2人がNYで訪れたフレンチスタイルのカフェテリアのイメージで屋内・外にそれぞれ45席程度のテーブル席。室内は白壁とテーブルの深い木目が、屋外は白いテーブルと周囲の緑が調和して、タイにいるのを忘れること必至です。調度品のあつらえにも無駄が無く、どこを見渡しても絵になるのは驚きです。
特徴的なのはスペースを上手に活かしたコンパートメント・エリア。周囲をガラスのパーテーションで区切り、ちょっとした会合も開けるようになっています。
家庭の味をお洒落に! 目にも舌にもやさしいお皿
家庭の味をお洒落に! 目にも舌にも優しいお皿
出されるお皿は、あくまでホームメイド・スタイルにこだわった気取らないスタイル。「色々な国の様々なスタイルを取り入れているけど、フュージョンとは呼びたくない。あくまでホームメイド、“家庭の味”なの!」と語るクライデュアンさん。盛り付けもお味もお洒落だけれど、でもどこか懐かしい感じのする料理たち。ボリュームも多めなので、仲間と一緒にシェアしながら頂くのが良さそうです。
NAVIも以前、北米で過ごしたこともあってか、どのお皿も「あ、あるある! 懐かしい~」と、つい頬が緩んでしまいました。どのメニューもNYで過ごしたクライデュアンさん達の思い出の味なのです。
スタッフたちの自慢と自信に満ちた表情が印象的でした。
①Croque , Virginia Hum with Gruyere & Mozzarella Cheese (240バーツ++)
バターがたっぷり染みたハム入りのホットサンドをとろけるチーズでさらにコーティング。チーズの焼ける香ばしい香りが広がります。
スタミナ不足かな? と言うときに頂きたい即効性アイテムです。
付け合せのサラダと一緒に完食すれば、元気モリモリ間違いなし?!
②Gorgonzola Ed & Ted (280バーツ++)
ゴルゴンゾーラ風味のクリームソースがこれでもか! ってくらい掛かったパスタの上に鶏ムネ肉。ボリュームもさることながら、粗挽き黒胡椒と軽くガーリックを効かせたクリーミィなソースが食欲を呼び覚まします。
③Crispy-Skinned Salmon with Pea Risotto, Parmesan Cheese & Spycy Tomato Sauce
(550バーツ++)
緑色のリゾットとそれを囲んだオレンジ色のトマトソースの色合いがメキシカンっぽくもあり、南国タイにピッタリ。すりつぶされた枝豆の香りが印象的で不思議なお味です。
乗せられた鮭のパリパリの皮がポイント。
タイにも鮭の皮の美味しさを理解してくれる人がいると思うとちょっと嬉しくなります。
④Eggs Florentine(200バーツ++)
ホウレンソウのソテーとポーチドエッグをクリームソースでいただきます。サイドオーダーで頼んだバゲットと組み合わせ、乗せられたカリカリベーコンと一緒に食べるとトロトロの玉子の黄身もソースも残さずに済み、幸せな気分に。ナビのおすすめブランチメニューです。
(左)Super Stuffed Shepherd's Pie(260バーツ++) (右)Minibar Tiger Prawn Roll(320バーツ++)
どの料理も新鮮な素材の味が良く出ていて、家庭の味に止まらない豊かな風味です。特にナビが気に入ったのは多くの料理に使われているブラックペッパー。挽きたて黒胡椒の香ばしい風味がとても強く感じられるのには感心しました。ジワジワと襲ってくるコショウ特有の鋭い辛みもとても心地よく、思わずニヤけてしまいそうでした。話を聞くと、シェフのこだわりは相当のもの。
「市販のものは鮮度が安定しないし、気に入らないから」とソーセージやスモークサーモンまで自分で作ってしまうようなこだわり派。バンコクで久々にプロフェッショナルな料理人を見た思いです。
ドリンクも個性豊か 基本は外さず、遊び心も!
ミニバー・ロイヤルのもうひとつの特徴は豊富なドリンクメニュー。ビールを始め、スコッチ、バーボンなどのハードリカー、定番カクテルはもちろん、特に注目したいのがこだわりのオリジナルカクテルや同様にオリジナルのノンアルコールカクテル。料理は忠実にレシピを守る分、ドリンクにはこだわりの「遊び心」を発揮しています。
ミニバーロイヤルのシンボルとも呼べるオリジナルカクテル、店名を冠した
「Minibar Royal(260バーツ++)」はザクロのジュースとスパークリングワインを軽くステアし、ザクロの実を浮かべたもの。
ワインの風味とともにザクロの懐かしい甘酸っぱい香りが口の中に広がります。
さらに、ザクロの実が口の中で軽い渋みを残してノドの奥へ。技ありの一品です。
同様に
「Passion Fruits Mint Crash(120バーツ++)」は、気分も体調もちょっと調子出ないな~ という時に試して欲しい1杯。甘酸っぱいパッションフルーツのピューレに潰したミントの葉を加え、上からソーダを注いだノンアルコールカクテルです。
色合いも去ることながら、パッションフルーツの酸味とミントの風味が眠った身体と頭をスッキリとさせてくれます。これからの夏バテ気味の身体にいいカンフル剤です。
クリームやチーズ系、肉系などやや重めの料理が豊富なミニバー・ロイヤル。
ワインやシャンパン、スパークリング・ワインのチョイスにもひと工夫してあります。
カリフォルニアやチリ、オーストラリアなどいわゆるニューワールド系のワインがリストにズラリ。
1本1000バーツ~とお値段も手ごろです。チョイスに迷ったらスタッフやシェフが直接オススメしてくれますし、By the Glassで注文できるワインもあります。
デザートも強力です!
最後の締めはやっぱりデザート。ミニバー・ロイヤルのオススメは
「Banana Pudding(120バーツ++)」。
プディングといってもいわゆる日本のプリンではなく、アメリカンスタイルのクリーミィ・プディング。ナビが北米に滞在中はデザートとして頻繁に食べていたこともあり、懐かしさもあってか、ホンワカとした気分に。
濃い目に入れたエスプレッソと底に敷かれた砕いたクッキーとスライスしたバナナと一緒に頂くと、ちょうど良い塩梅で口の中でとろけて行きます。
「それにしてもボリューム満点ですね?」と聞くナビに「いや、普通は1人じゃ食べないし!」と激しく突っ込まれてしまいました。
このコージーさ、どこから来るのか?
冒頭で紹介したお二人にとっては初めてのレストラン経営となる、ここ「ミニバー・ロイヤル」。スタッフの連帯感、インテリアの統一性、メニューなどのデザインセンス、そしてスタイルがはっきりした料理やカクテル、どれも完成度の高さに驚きです。
初めて訪れて以来、週末の昼下がりにブラッと訪れて屋外席で読書をしたりナビの原稿を書いたりと隠れ家として重宝してきました。
バンコクの喧騒にチョット疲れた人、煮詰まったクリエイター、気だるい昼下がりをお洒落に決めたい人に勧めたい、バンコク随一のカフェ、レストラン&バーです。
以上、バンコクナビのレポートでした。