地上25階のリアルな夜景を見ながら頂くモダンタイ料理。50人が一度に座れる長さ24メートルのテーブルは圧巻!
サワッディカー!バンコクナビです。
夜景がキレイなレストランと聞いて、真っ先に思い浮かぶのはビルやホテルの最上階、ではないでしょうか。ネオン煌めくバンコクの街を一望するには、高ければ高い所ほどいいとナビは信じていました。え、スクンビットにあるビルの25階からの夜景?スクンビットといえば、ビルとコンドミニアムが林立するバンコクの中心地。しかも特別に高層階というわけでもないし・・・。
結論から言えば、今回お邪魔したロングテーブルはそんなナビの疑問を根本からあっさりと覆してくれた非常に素敵なレストランでした。
●目指すはスクンビットのど真ん中
BTSアソーク駅から徒歩約5分。6番出口を出て、直結している歩道橋を進みます。その途中で右方向に目をやると、窓に「ロングテーブル」と大きく書かれたビルが見えます。そこからだと少し遠く感じるかも知れませんが、階段を降り、ラチャダーピセーク通りを真っ直ぐ300メートルほど進むと、斜め左方向につながる形でスクムビット(Skumvit Road)ソイ16という通りが見えてきます。そこを100メートルほど進むと右手に目指すビルがあります。予め場所の見当が付いていたので、迷うことなく辿り着けました。
ロングテーブルはコラムレジデンスという全42階建てサービスアパートメントの25階に位置します。エントランスは広々としていて明るく、ガードマンが笑顔で出迎えてくれました。突き当たりにあるエレベーターでいざ、25階へ向かいます。階数ボタンの横にもお店の名前が大きく書いてあり、とても親切です。
●これが全長24メートルのロングテーブル
さっそく店内に入ってみましょう。エレベーターを降りると、壁一面に描かれているハヌマーンの絵が目に飛び込んできます。ハヌマーンとは古代インドの大長編叙事詩「ラーマーヤナ」に登場する猿軍の将軍で、中でも白い猿は英雄としてタイ人に人気があります。
そんなハヌマーンに出迎えられ、奥へと進むと眩しいほどの光に目を細めずにはいられません。何しろビルの目の前は大きな公園で、視界を遮るものは何もありませんから。
景色を早く見たいという気持ちを抑え、まずは店名にもなっているお目当てのロングテーブルへ。レセプションの横を通り抜け、様々な種類のワインが陳列された棚を横目に進むと、室内の中央に全長24メートルの薄茶色のテーブルが構えています。想像してみてください、25メートルプールを。あれとほぼ同じ長さのテーブルがあるのです。そして、天井から適度な距離で置かれているライトのおかげでしょうか、単にがらんとしてだだっ広いというのではありません。また、椅子はオフホワイトで統一され、全体的に柔らかい印象を受けました。このロングテーブルだけで50人座ることができます。
中央のテーブルの両サイドには靴を脱いで寛ぎながら食事を楽しめるテーブルがあります。
日本のそれに比べると少し浅いのですが、ちょうど掘りごたつのような感覚です。こちらも同じくオフホワイトのソファで、背には鮮やかな深紅のクッションが所狭しと並べられています。各テーブルの上にはライトがありますが、それがボックス型の白い布で覆われているので、隣のテーブルとのちょうど良い仕切りの役割も果たしてくれています。
そして、足元のスクリーンに画像が映し出されているのにお気づきですか?ナビがお邪魔したときは星や地球の映像が流れていましたが、DVDやUSBで映像を予め用意していけば、何と、ここで流してもらうことができるのです。ただし全てのテーブルで同じものが流れるため、大きなイベントや誕生日パーティーなどに限られるそうですが、興味のある方は事前にお店に問い合わせてみるといいかも知れませんね。
●夕暮れからまばゆい夜景への変化
では次に、表へ出てみましょう。と、その時にタイでは見慣れているあの動物を発見。そう、ヤモリです。外との仕切りは全面がガラス張りになっているので気を付けてくださいね、というお店側の小さな配慮ですね。ちなみにこのヤモリは1590バーツでお土産としても販売されています。
外のスペースは一転、落ち着いた色合いの4人掛け、6人掛けのソファとバーカウンターで構成されています。ここだけで全56席。天井も高く、とてもゆったりとした造りです。
奥の方から水音が聞こえると思って向かってみると、そこにはプールがありました。残念ながらコラムレジデンスの住人専用のプールですが、音を聞いているだけでも涼しさが伝わってきそうです。またプールの周りはスタンディング式になっていますが、金曜と土曜の夜にはソファをこちらへ移動させるそうです。カクテルでも飲みながら暮れゆくバンコクの街を眺めるなんて、とても贅沢な過ごし方ではないでしょうか。
●メニュー紹介
メニューは前菜が8種類(270~690バーツ)、メインが10種類(350~1290バーツ)、サイドディッシュが7種類(180~320バーツ)、デザートが6種類(150~350バーツ)用意されています。品数としては多い方でありませんが、サーモン、カニ、エビなどのシーフード、ステーキなどの肉類、パッタイ(タイ風焼きそば)やカオパッ(チャーハン)などの定番タイ料理、そしてアイスクリームやタイのフルーツを使ったデザートまで、幅広く取り揃っていました。
今回はお店のおすすめメニューを頂いてきました。
冷製ロブスターとアボカドのサラダ トマトナムプリック(タイ風のペースト)添え
250バーツ
まずは運ばれてきたサラダの美しさに目を奪われました。真っ白なお皿の中央に盛り付けられたロブスターとアボカド。これらを和えているソースはピリっと胡椒のきいたあっさりしたクリーム風味で、濃厚なアボカドの味わいを邪魔しません。しっかりと身のしまったロブスターには余分な味はついておらず、そのままの美味しさを楽しむことができます。そしてシャキシャキ感があるのは青パパイヤと細かく刻んだセロリ。ソースで和えてあるにも関わらず、最後までその食感が失われなかったのには驚きました。
そして、料理名にも書かれているナムプリックとは、唐辛子をメインにしたタイ風のペーストです。普通は茹でた野菜につけて食べる、かなり辛いものですが、ここではクリームソースと合わせることで、辛さを残しつつもマイルドな仕上がりになっていました。いちばん上に乗っているのはルッコラや角切りにしたトマトといったフレッシュな野菜で、噛むと甘みがしっかりと伝わってきます。そのまま食べてもよし、もちろんロブスターと合わせてもよし、一皿で色々な食感を楽しめるサラダです。
青いマンゴーとスイートチリソースを添えたシーバスのフライ 650バーツ
続いて出てきたのが、シーバスのフライ。この料理は普段からよく見かけるのですが、何しろこんなに素敵な盛り付け方は初めて見たので、最初は何か分かりませんでした。くるりと筒状に巻かれたシーバスの横にちょこんと可愛らしく座っているマンゴーのサラダ。その下にはいかにも濃厚そうで甘辛いスイートチリソースが控えています。
サクサクという音を立てながら、ナイフでシーバスに切れ目を入れていきます。スイートチリソースをほんのちょっとだけつけて口へ運ぶと、ジューシーな白身の魚の味が広がっていきました。
次にマンゴーのサラダと一緒に食べてみます。こちらのサラダにはマンゴー以外に豆苗、乾燥させた小エビなどが入っていて、どれもしっかりした歯ごたえです。青いマンゴーは時に酸味が強すぎるということもありますが、もちろんそんなこともなく、あくまでも食感を楽しむことがメインだと思わせてくれました。そしてサラダと一緒に食べてもシーバスの味が損なわれることはなく、マンゴーのさわやかな香りとスイートチリソースの甘みと共に堪能できます。
オーストラリア産サーロインステーキ 790バーツ
今回のメインはこちらのサーロインステーキ。赤・黄・緑と、見た目にも色鮮やかな一品です。ミディアムレアに焼かれたステーキの上には細く刻んだバジルの葉と揚げたガーリックが添えられていて、いかにも食欲をそそります。まずはステーキを一口。軽く焼き目のついた部分で香ばしさを味わったら、内側の柔らかいお肉へ。塩と胡椒でしっかりと下味はついていますが、ステーキの下に隠れるように敷かれていた醤油ベースのソースと合わせると絶品です。そしてステーキの隣に添えられている黄色いペーストは何と、かぼちゃでした。かぼちゃと言っても甘くはなく、胡椒で適度にピリッと引き締まったペーストは牛肉と合わせても何の違和感もありません。お肉の柔らかさと同時に、きちんと裏ごししてあるかぼちゃの滑らかさで口の中まで緩んでしまいそうです。
付け合わせはこちらもルッコラやトマトをメインにしたサラダです。オリーブオイルと塩だけのシンプルなドレッシングで和えられたサラダは丁度よい箸休めになりそうです。
ステーキ自体にかなりボリュームはありますが、ソースがあっさりしていたお陰か、いくらでも食べることができました。
カオニャオマンムアン(もち米を添えたマンゴーのココナツミルクがけ) 180バーツ
締めくくりはタイのデザートとしてお馴染みのカオニャオマンムアンです。とはいえ、当然こちらも盛り付けにはひと工夫されています。マンゴーと蜂蜜で出来た明るいオレンジ色ソースが3つの丸い円を描き、それぞれの中に、ココナツミルクのかかったもち米と丸くくり抜かれたマンゴーが並んでいます。さらにその横にもマンゴーとキウイが添えられ、華やかさを演出しています。
もち米は硬すぎず、柔らかすぎず、しっかりとしたお米の味がしました。
ココナツミルクともち米という組み合わせは一見不思議に思うかも知れませんが、どちらも負けじと味の主張をしていて、そこに時折見せる果物の甘みが丁度よく調和してくれます。そして最後までしっかりと食事をしたという満足感にも浸れます。
●豊富なアルコールメニュー
こちらのアルコールメニューも見逃すわけにはいきません。ウィスキーやウォッカなどのリキュールだけで150種類以上(250~500バーツ)、「ロングテーブル・マルガリータ」や「バンコク・コスモポリタン」といったオリジナルのカクテルは全11種類(各320バーツ)、定番のクラシックなカクテルは全20種類(各350バーツ)揃っています。
またワインはグラスで300~500バーツ、フルボトルで1200~4000バーツで様々用意されています。今回ナビはアルコールを頂きませんでしたが、次回は是非、バーテンダーと色々話をしながら、新しいカクテルを試してみたいところです。
●モダン・タイスタイルの提案
このロング・テーブルの内装はスクンビット(Skumvit Road)ソイ11にある、宇宙船のような外観がとても目立つ、あのベッドサパークラブと同じオービット・デザイン・スタジオによるものです。全体的にスッキリとまとまっている中にも、ちゃんと寛ぎを与えてくれるような暖かみがあります。そしてトータルコンセプトは「現代のタイスタイル」の提案。大人数でわいわいとタイ料理を楽しむという伝統はそのままに、どんどん変化を遂げているタイの食・住環境を見せてくれました。お話を伺ったスタッフのユンさんによると、料理も西洋料理との融合ではなく、あくまでもタイスタイルにこだわっているそうです。とはいえ、ただお皿に盛るだけではなく、洗練されて美しい盛り付けで魅了してくれる点こそがモダンなタイスタイルなのだと感じました。
【行き方】
BTS アソーク駅6番出口を出て、ラチャダーピセーク通り(Ratchada Pisek Road)を真っ直ぐ。300メートルほど進むと、斜め左側にスクンビット(Sukhumvit Road)ソイ16があるので、そのソイを入り、100メートルほど進むと右手に見える、コラムレジデンスというビルの25階。徒歩約5分。
いかがでしたか?
タイスタイルという枠組みは崩さずに、その中で様々な試みを見せてくれたロングテーブル。枠組みといっても、決して窮屈なのではなく、大切なものはちゃんと残して、新しいものを積極的に採り入れていくという柔軟な発想に、今後の展開もますます楽しみです。
そして、何と言ってもあの夜景。ビルの25階から眺めたバンコクの夜は、高層階から眺める遠くの夜景よりももっと力強さと迫力があって、圧巻の一言に尽きました。