日本語メニューありで、一人お茶でも夜カフェでも使える!バンコクの真ん中で日本のカフェを満喫しちゃおう!
サワッディカー!バンコクナビです。
単に軽くお腹を満たして暑さや疲れから逃れるだけではなく、1日の流れの中でワンクッション置くために寄りたくなる場所というのが、日本人にとっての“カフェ”の位置づけではないでしょうか。タイのカフェは店内のデコレーションやメニューやサービスの面で「惜しい~!」部分が多く、かえってマイナス面のほうが印象に残ったりしがち。
そこに来て、今回ご紹介するカフェ「アフターユー」は、タイ人に“リトルジャパン”として知られ、カフェやレストランの激戦区であるトンローエリアきっての実力派。くつろげる雰囲気の中、日本語メニューあり、甘さ控えめのスウィーツありで、バンコクのど真ん中にありながら、日本にいるような気分にさせてくれるカフェなんです。特製のハニートーストは一見&一食の価値あり! では早速ご案内します。
● おしゃれな“リトルジャパン”、Jアヴェニュー
日本食レストランや日本語の看板を掲げる店を多く見かけるトンローは、「おしゃれエリア」としても有名。最新のファッションに身を包んだ若者や、ハイソーと言われるいわゆるアッパークラスな人たち、また芸能人、有名人もよく出没する場所です。ちなみにナビは以前、パラドンという世界的に有名なテニス選手に遭遇しました!
BTSトンロー駅から、トンロー通り(ソイスクムビット55)をタクシーで直進すること約5分。左手に、大きな木や噴水を囲むようにそびえ立つショッピングモールが見えてきます。これがJアヴェニュー。日本でもお馴染みの「大戸屋」をはじめとするレストラン、カフェ、ブティック、そしてインターナショナルスーパーなどが入っています。平日の日中は奥様たちがお買い物やランチを楽しみ、週末の夜は若者達で賑わう、バンコクの人気スポットです。
アフターユーは、Jアヴェニュー本館と駐車場を挟んだ通りの向かい、アネックスの中にあります。お店自体はソイトンロー13に面していますが、Jアヴェニューの本館を散策しつつ、アネックスに向かうと、より雰囲気を楽しめるのではないでしょうか。駐車場を通って、タイの人気女優経営のセレクトショップを過ぎ、左手一番奥の1階にある店が「アフターユー」です。全面ガラス張りで、お客さんたちが楽しむスウィーツに思わず目が奪われそうになりますよ~。
● 愛嬌たっぷりの看板に期待大
ヤギとヒツジの相の子という、愛嬌たっぷりのトレードマークの看板の上には「There’s always room for dessert」、ドアには「Sweet Hours」と、大文字と小文字を混ぜたキッチュなフォントで書いてあります。乙女心にユーモアをプラスしたこのセンス、ドアを開ける前から、なんかやってくれそうだと期待させてくれます。
ちなみにタイは、冷房設備のある建物の屋内は喫煙禁止ですが、外に喫煙スペースが設けてあります。
●シンプルな店内
さあ、店内に入ってみましょう。店内のインテリアは至ってシンプル、淡い木目調が壁にも床にもそして家具にも使われています。主役は私達よと、キッチンカウンター横のショーケースの中やメニューの上で踊る、色鮮やかなスウィーツたちが自己主張しています。
テーブル数は全部で10。5人掛けから2人掛け、またキッチンカウンター脇、壁沿いは最大で10人入れるソファ席になっているので、グループでも、1人でも落ち着ける配置となっています。ナビは平日の午後にお邪魔してきましたが、入れ替わり立ち替わりで常に8割の席が埋まっていました。スタッフによると、お客さんの半分は日本人だそうで、この日も日本人女性のグループが3組いました。
週末の夜は大混雑で、テーブルの間をデザート片手にすり抜けるのに技がいるのだとか。
● メニュー紹介
【安心の日本語メニュー】
メニューはお店の外、カウンター横、カウンター奥のボード、と全部で3ヶ所にあります。ここのメニュー、タイなのにタイ語表記がありません。あるのは、英語、そして日本語!デザートの名前だけでなく、なんと解説までしっかり日本語で書いてあるのです。ボード以外のメニューは、写真付きなのも良心的。テーブルにメニューがないのは、お客さんが迷いに迷っている間の時間ロスを削減するお店の策略かも!?
メニューの内容は、Classic Desserts(クランブルやプディングなど、お茶のお供系スウィーツ/一律135バーツ)が10種。After You Platters(ハニートースト・チョコレートフォンデュなど、どっしり系スウィーツ/165~222バーツ)が4種。All Day Breakfast(125~155バーツ)が5種に、飲み物がコーヒー系を中心に約20種(60~90バーツ)。そのほかに、ショーケースの中のケーキやマシュマロ、クッキーなどがあります。今回は、メイさんチョイスの「人気メニュー」を頂いてきました。
渋谷ハニートースト 165バーツ
日本で一世を風靡したハニートースト。こちらのトーストの厚さは、約5センチ。厚切りパン2枚分といったところでしょうか。プレートがテーブルに置かれた瞬間、温かい焼き立てパンの香りがもわぁーっと漂います。トーストの上にはどーんと1スクープ、更に脇にも1スクープのバニラアイスが添えられ、その脇には搾り器でうねらせた生クリームの山が3つ。表面にはクラッシュアーモンドと粉砂糖が散りばめられ、そしてその上を蜂蜜が螺旋を描いています。
ナイフを入れれば、サクサクとトーストが音を立て、切り口からは黄金色に輝くバターが覗き、頂上から蜂蜜、アイスが否応無しに流れ込んできます。そんな一切れに、生クリームを乗せてパクリといただけば、甘さがバターを引き立てているのか、バターが甘さを引き立てているのか、なんて考えていたら蜂蜜に頭突きされたような、ものすごいハーモニーに打ちのめされてしまいます。「ハニートースト」というと、ボリュームあってなんぼ、と思われているかもしれませんが、醍醐味は味と食感のハーモニーだったと実感。
タイの日差しが降り注ぐ窓側の席では、アイスも生クリームもとろとろに溶けること間違いなしですが、これがまた溶けてもいけるお味でした。
バニラの風味しっかりのアイスに、砂糖かなり控えめの生クリームの成せる業でしょう。
ちなみに、全席ブラインド付きなのでご安心を。写真は通常サイズですが、トーストだけを半分にしたミニサイズ(135バーツ)もあります。
スコーン 135バーツ
プリンをひっくり返したような、可愛いスコーン2つと、クランベリージャム、クロッテッドクリームのセット。定番ながら常に上位3位に入る人気メニュー。こういうシンプルなメニューが人気というのは、お店の実力を感じさせます。スコーン自体によけいな甘さがないので、そのままパンとして食べても、ジャムやクリームをつけてスウィーツとして食べても楽しめるお味でした。
一緒にオーダーしたお茶はカモミールティ(75バーツ)。ポットサービスです。一番茶やバニラティ、ミントチョコティなど全8種のお茶が用意されていて、ティーバックの入ったパッケージをパウチしただけのミニメニューから選ぶことができます。
ラテ 70バーツ
カフェオレボウルにたっぷり注がれたラテは、ワッフルとセットになって出てきます。お好みでセルフサービスのお砂糖を入れ、木のマドラーで掻き混ぜ、両手でボウルを包み込むようにして飲みましょう。アイスラテ(80バーツ)の場合は、トレードマークの入った、紙のカップに入ってくるので、テイクアウトにも便利です。
セットのワッフルは、キャラメルをサンドしたハードタイプ。実はこちら、お店の隠れ人気メニューで、箱入り(200バーツ)で売られています。お土産に喜ばれそうな一品。ワッフルのほかに、マカロンやクッキーもあります。
クラシックバターミルクパンケーキ 135バーツ
ちょっといびつなパンケーキに、ソーセージが3本、大粒のアメリカ産イチゴが1つ、極めつけはアイスクリームと見紛うほどの巨大バターが1スクープ添えられています。さすがメニューに名前が載るだけあって、バターの存在感はただものじゃありません。そこに小さいポットに入ったメイプルシロップをお好みで掛けていただきます。ハニートーストのアイスクリームほど豪快ではないものの、やはりバターの山もじわりじわりと溶け、それを見事にパンケーキが全身でスポンジのごとく受け止めているので、ナイフの落ち具合のスムーズさは驚きもの。
バターの染み込んだ部分を、ソーセージと食べた後は、メイプルシロップを注いでイチゴとパクッ、この甘辛の繰り返しをしているうちに、あっという間に完食してしまいそうな一皿です。
いちじくのケーキ 135バーツ
この珍しいメニューは、日本人人気ナンバー1。いちじくは、日本でもタイでも簡単には手に入らない貴重な果物のひとつ。
いったいどんなケーキだろうかとちょっと想像がつきませんでしたが、意外に素朴な味。いちじくが味より食感に特徴があるとしたら、柔らかめのバターケーキの中であまり目立たない存在ではありますが、バナナでもないジャックフルーツでもない、香り高い甘みが口いっぱいに広がります。その風味を閉じ込めるように、生クリームとバニラアイスクリームで表面が覆われていますが、スプーンを奥深くまでざくっと入れ、一息にすくってみましょう。すると、この優しい味をカップの底に沈むキャラメルソースがぐぐっと引き立ててくれます。
バニラアイスに、雪だるまの耳よろしく突き刺さっているのは、ビターチョコレート。全体的に甘めの一皿に添えられた、スパイスのような存在です。
ちなみにいちじくは英語でFiggy。
Figgy Puddingだけだったら、なんのことだかわからず、オーダーしない可能性高し。こういうところも、日本語メニューがあるのってありがたいと思わせるところですね。
ブレックファーストグリルチーズ&ハム 155バーツ
一見クロックドムッシュ、ですが実際は全く異なるもの。薄くスライスしたチーズとハムをパンで挟み、トースト。ここからが、タイでは「アフターユー」でだけ。なんとフライパンに小麦粉を溶かした水を流し込み、サンドイッチの両面をパリパリに仕上げているのです。
うん?何かと一緒。そうです、「餃子」です。「餃子」の手法をサンドイッチに応用した驚きの一品でした。具のチーズとハムは塩分控えめなので、中央に添えられたケチャップをディップにしてもよいでしょう。一切れでかなりの食べ応えがあり、All Day Breakfastメニューでありながら、晩御飯でもいけそうな一品でした。
● トッピングはあなた次第
ハニートーストには蜂蜜、パンケーキにはメイプルシロップ、いちじくのケーキにはキャラメルソースが、それぞれ別の容器に入って出てきます。自分の好みで味を調節できる良さもさることながら、キュートな見た目のトッピングの仕上げを自分の手でできる楽しさは、乙女心をくすぐります!
【その他のメニュー】
一番高額だったのが、チョコレートフォンデュ(350バーツ)。イチゴ、バナナ、マシュマロをチョコレートのフォンデュでいただく一品。太いストローでいただく飲むプリン、アイスキャラメルプディング(80バーツ)、こちらも人気メニューのひとつだそうです。
また、ショーケースに並ぶケーキは店内でもいただけて、モンブラン(85バーツ)、ノンファットミルクを使用したライトカスタードプディング(45バーツ)などがあります。
● 人気料理家の店
オーナーはメイさんというタイ人女性で、若干26歳にして人気料理家。メイさんの作り出したレシピがそのままお店のメニューになっています。
「May Made」という彼女のレシピ本はこれまで3冊出版され、店内の棚にディスプレイしてあり、読むことも可能。現在は7月に出版予定の4冊目の準備で大忙しとのこと。
トイレの扉の両脇には、メイさんとお友達の写真がびっしり張ってあり、有名人の顔もちらほら。写真中央のブルーの洋服を着た2人組みの右側がメイさん。その右上隣、「May Made」を持っているのは、「アフターユー」お向かいの2階にあるネイルスパを経営する女優さん。
実は店名「アフターユー」の由来は、お店の2階と斜向かいにある「Yuu」という日本風焼肉、しゃぶしゃぶの店と関係あり。
メイさんのお兄さんが経営している「Yuu」でのお食事の後デザートはこちらへどうぞ、という意味を込めて「アフターユー」になったのだそう。お肉とデザート、別腹ですからね。尚、「Yuu」へのデリバリーも可能です。
いかがでしたか?タイのスウィーツは、日本人の味覚からすると甘すぎることが多いのですが、ここの甘さ加減はまさに日本人の舌好みでした。
安心の日本語メニューに、居心地の良いインテリア、ガラス越しに行き交う人間ウォッチングをしながら1人お茶をするもよし、深夜12時まで営業しているので夜カフェをするもよし。気に入ったら、900バーツで1000バーツ分オーダーできる(期限6ヶ月、100バーツ×10枚、つり銭なし)バウチャーを購入してリピーターになってもよし。バンコクにいながらにして、日本っ“ぽい”を通り超えた日本のカフェを満喫できるお店でした。
【行き方】
スカイトレインBTSトンロー駅3番出口を出て、トンロー通り(スクムビットソイ55)をまっすぐ進みます。ソイトンロー13を左折した、Home Place Buildingの奥。徒歩だと約20分(炎天下では少しきついかもしれません)、タクシーだと混み具合にもよりますが、約5分(1メーター)で到着します。